岩井銀蔵 作の課題物語『人村』第2話

『人村』第2話

先日、夫・銀蔵が、子どもたち向けに「大切なこと」を伝えるために、
課題物語というのを作って、私たちに読ませてくれました。

私や夫・銀蔵が後世に遺したいドラマの一つと考えている
『3年A組-今から皆さんは、人質です』を参考に作ったという、
『人村』というタイトルの物語です。

先日、その課題物語『人村』第1話を渡された際、同時に、

  • 10歳の長男は、読書感想文
  • 私は、その読書感想文の感想文

を書くように言われていたのですが・・・、
なんとも、子どもは正直なんですね。

長男の感想内容は、大体以下の通り

  • 老人は以前まで村人たちの信用を得ていたが、村人たちにとっての大切なものを切り倒すように話した内容1つが、その一言で、まるで積み上げた積み木がいっぺんに崩れるように、老人は信用を失った。
  • だから、どんなすごい人でも、「猿も木から落ちる」ように、失敗することもあるのだと分かった。
  • でも、失敗してもまた、一から積み木を積み直せば、また信用を取り戻せるかもしれない。
  • 村人の方は、これまで老人の都合のよい話だけを信じてきたが、都合が悪くなると信じなくなった様子に「それで本当にいいのかい?」と思った。
  • でも、村人たちにとっての大切な“守り森”を、おれにとっての“野球”や“グラウンド”として考えてみると、腹が立つ。くそじじぃ死ね、大嫌いって思う。

長男の言葉は良くない表現も含まれていましたが、
老人と村人の両面を考えることができたのは、とても成長を感じました。

さて、次の日には、第2話が渡されました。

さぁ、長男は、次はどんな感想を持つのでしょうか。

『人村』第2話

1人の老人の手によって全ての木が切り倒された森を何とかしようと、
村人たち皆で森に出かけた際、

その変わり果てた森の様子を目の当たりにした
村人たちの怒りや悲しみで満ち溢れている中・・・、

ある若者が、森の中の遠くに動物の影のようなものを見つけました。

「なんだろう…」

と、1人で近づいて行って見てみると、
その動物の影のようなものは、死んだウサギでした。

そのウサギは、真っ黒の姿になっており、
その様子は、とても苦しそうに、もがきながら
死んでしまったようでした。

その近くには、この森から採れる木の実が転がっていました。

その木の実は一部が欠けており、
どうやら、ウサギが かじったあとのようです。

「もしかして、ウサギは木の実を食べて死んでしまったんじゃ…」

このように考えた若者は、
急いで村人の皆をこの場所に連れてきました。

村人の皆も、ウサギの様子を見て驚き、
すぐに、その木の実を、隣の国の
優秀な学者さんに調べてもらうことにしました。

すると、なんと、その木の実は、
ドクキ病という病気に侵されていたことが分かったのです。

ドクキ病とは、ある特別な木で猛毒のウィルスが繁殖し、
その木やその木の実、それを食べたものなどを猛毒に変える
恐ろしい病気です。

ドクキ病は、猛毒ウィルスを繁殖させてしまう特別な木を切り倒さないと、
次々にウィルスが感染し、多くの動物や人たちが命を落としてしまうといいます。

この特別な木は、この村でしか存在しないために、
この村の国では、ドクキ病という病気を知る人は誰もいませんでした。

しかし、老人だけは、その病気を知らずとも、
不思議な力で、みんなの危険だけには気が付いていたのです。

これを知った村人たちからは、次々に嘆きの声が出てきました。

「あぁ、俺たちはあの爺さんに、なんてことをしてしまったんだ」

「あの爺さんは、俺たちや子どもたちの命を救ってくれていた」

「もし、子どもたちが勝手に木の実を採って食べていたとしたら…」

「知らずに、他の村に木の実を贈っていたとしたら…」

「爺さんは、一生懸命に俺たちに話してくれていたのに…」

老人は、この村にはもういない。

村人たちが追い出したからだ。

老人がどこにいるのか、誰も知らない。

第3話に続く。

>夫・岩井銀蔵の妻として

夫・岩井銀蔵の妻として

小さい頃から私は、「毎日学校の人たちとすれ違うだけで緊張する」「運動会は人が多いから大嫌い」「電車に乗るのはいつも誰かに見られているような気がして怖い」と、とても生きづらい毎日を過ごしてきました。それは大人になっても変わらない日々が続きましたが、夫や家族たちの支えのおかげで、私は私の“夢”を持つことができるようになりました。
これまでは家計も育児も夫に頼りっぱなしでしたが、これからは「本当の生きる力」を養って、夫と同じようにたくさんのラッキーを作っていきたい!・・・このように考え・行動できるようになったのは、やはり夫の“厳しい愛”の力が大きいのかもしれません。
いつも家族や皆の夢の応援をしてくれる夫に対し、私も微力ながら夫の夢を応援したいと思っています。夫・岩井銀蔵のブログも宜しくお願い致します。

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